中学受験
女子プロレスラー ジャガー横田さんと外科医 木下博勝さんの一人息子 大維志君(小学6年生 11歳)には、「父と同じ外科医になって、病に苦しむ人を助けたい」という夢があるそうです。
その目的のために、幼稚園から通っていたインターナショナルスクールをやめて公立の小学校に転校し、来春、私立中学を受験するそうです。

その受験に密着する番組が「スッキリ」で放送されています。
9月27日に第1回目の放送が始まり、10月、11月と月に1回ずつ放送されました。
大維志君の番組を通して、中学受験と保護者の対応について書いていきます。

首都圏の中学受験の実態

受験者数(スッキリ番組のデータより)

他のデータでは、首都圏の小学6年生の数が約276000人になっています。
どちらが正しいのかわかりませんが、ここではスッキリの方を載せます。

小学6年生児童数 
2013年度 約352000人
2018年度 約327000人

中学受験者数 
2013年度 約59000人
2018年度 約57000人

児童数は5年間で約25000人減少しています。
一方、2015年度に約55000人まで落ち込んだ受験者は回復傾向にあり、2013年度からの減少は2000人にとどまっています。
上記のデータでは、中学受験者数の割合は17%、単純計算するとだいたい5.7人に1人です。
もう一つのデータでは約13.7%になっていますが、1月入試で進学校を確定した受験者や公立中高一貫校のみを受験する児童を除いた2月1日の受験者数から割り出した数字なので、スッキリのデータ17%は妥当な数かと思われます。

地方と都会、平均年収の家庭と裕福な家庭の格差

公立しか選択肢がない地方から見ると、首都圏の中学受験は異様ではありますが、都内には昔から私立中学がたくさんあるから私立中学受験は当たり前のことという感覚も、都内在住の保護者にはあるようです。
また、私立中学のカリキュラムは英語や数学の時間数が多いので、公立より有利な環境で中学高校生活を送らせたいと願う保護者にも支持されているようです。

高収入家庭が多い東京の港区などでは、クラスのほとんどが中学受験をするという公立小学校もあるようですし、塾の勉強をサポートする家庭教師や個別指導塾も東京は盛んだと聞いていますので、東大生の家庭の平均年収が高いというのは当たり前のことです。

大維志君が進学を希望する学校 広尾学園

広尾学園の前身は、大正7年に板垣退助伯爵と夫人の絹子氏によって設立された順心女子学園で、11年前に時代に即した共学の受験校に変わったそうです。
都心の好立地、広尾にあり、保護者のニーズもつかんで偏差値もアップしていったようです。

広尾学園には、大維志君が希望している「医進・サイエンスコース(医系・理系を目指す」「本科コース(難関大学を目指す)」「インターナショナルコース(国内外の有名大学を目指す)」の3コースがあるそうです。
広尾学園の医進・サイエンスコースの偏差値71に対し、大維志君の現在の偏差値は41と番組で放送されていました。
来年2月の受験本番までに、41の偏差値を71と言われている合格圏まで如何にして上げていくかという道のりに密着した番組です。

受ける子供達の学力の程度によって模擬テストも3種類あり、大維志君が受けた模試は比較的甘めに偏差値が出るようです。
御三家などを目指す子供達が受ける模試では、広尾学園の偏差値は71より下になるようです。
そうであれば、大維志君の偏差値ももっと下になるでしょう。

いずれにしろ、入学後の授業についていかなければなりませんので、中学受験はゴールではなくスタートです。
6年後の大学医学部受験、大学卒業と同時の医師国家試験。
医師を目指す大維志君には勉強がずっと続くわけですから、中学受験でゴムが伸び切らないようにと願います。

スッキリの番組から

大維志君が伸び悩んでいる理由

お母さん、ジャガー横田さんの話です。
「(大維志君は)個性が強いかもしれない。普通の子と同じことは言ったりやったりはあまりしないと感じる。(大維志君は)自己主張が強いから家庭教師の先生とも合わなかったり、静かにできなくて塾から休んでくださいと言われるなどある(から、成績が伸び悩んでいる)」

また、大維志君は2歳から9歳までをインターナショナルスクールに通っていたので、これが国語や社会が苦手の理由と放送されていました。

家庭教師トライとテレビ番組が提携

そのような大維志君のために番組がオファーしたのが、家庭教師トライの『難関校受験専任教育プランナー』の方です。
教育プランナーは受験生の性格診断を行い、受験生の性格にぴったりの家庭教師をマッチングし、勉強方針の組み立てやメンタルのケアもするそうです。

性格別に勉強の仕方を変える

トライでは、スタンフォード大学で生み出された性格分類法で受験生の性格を診断し、9つの性格に分類して受験生にあった指導法や家庭教師を選ぶそうです。
下記のトライのホームページで診断できるので、中学受験をしないお子様も性格のタイプを診断して、ご家庭での声掛けなどの参考にされたら如何でしょう。

https://www.trygroup.co.jp/sp/shindan/

教育プランナーが教える学習環境の整え方

1、机の前にいろいろなものを貼らない。置かない。
………理由は、目移りして学習に集中できないから。

2、ペンを持つ手の反対に、趣味のものを置かない。
………やはり、目が行ってしまい、集中できないから。

3、本棚は教科ごとに分類して、受験生本人が欲しい参考書を捜す時間を短縮する。
………大維志君の部屋では、お父様の木下先生が本棚の整理をしていました。
     これは中学受験の「あるある」で、親が熱心になってしまい、
     子供本人は状況を把握できていないことがあるそうです。

上記を踏まえた部屋の配置案

1、机は真ん中
2、おもちゃ、趣味のものは机の背面
3、本棚は、机の横
4、歴史年表はトイレ、漢字一覧表はレゴを飾った棚のガラス戸

スッキリした部屋で、やる気アップした大維志君の表情が可愛く印象的でした。

最強家庭教師

大維志君についたトライの家庭教師の方は、ご自身が小学6年生の時の偏差値が30であったこと、その後、独自の学習法で東京大学に入学したということを大維志君に話し、「できるから頑張ろう」と励ましていました。

最強家庭教師が教える偏差値アップ策

記号読解法

文章を読みながら、「しかし」には△、「つまり」には▽などの記号を接続詞にふっていく方法です。
問題文では、「しかし」や「つまり」などの後に正解のポイントとなる重要な文章が書かれていることが多いからです。
そこに記号をふることで、要点が見つけやすくなります。
さらに、読み直す際に、どこから読めばいいかを見つけやすくなり、時間の短縮になります。

私が勤めていた学習塾では、接続詞に線を引くように指導していましたが、記号をふるこの読解法で、文章の理解がさらに進むと思います。
「だから」には⇒、「例えば」には=なども提示されましたので、国語が苦手なお子様にはおすすめだと思います。

感謝や激励の言葉であふれる家庭にする

プラスの言葉で子供のやる気をアップさせる。
「大維志の笑顔を見ると疲れが吹き飛ぶ」
「頑張ってるね」
「さすがパパの子ね」などの言葉が紹介されました。

手料理を作ってあげる

塾が夕方から夜遅くまであると、受験生はお弁当持参になるので保護者は大変ですが、最強家庭教師のアドバイスは手料理をというものでした。
お惣菜や冷凍食品、香取慎吾君の「ファミマのお母さん食堂」などを適度に使い手作り風にして、乗り切ってください。

大維志君の家庭

お父様の外科医 木下先生の教育方針

大維志君の頑張りと家庭教師の先生のアドバイスが功を奏し、少しずつ、大維志君の偏差値も上がってきています。
安易な計算ミスにも気を付けるようになり、学習に対する姿勢や考え方がしっかりしてきたように思われました。
算数や理科の偏差値が上がったと知った時、先生から良くなった点を教えてもらった時の嬉しそうな大維志君の表情を見て、心から応援したいと思いました。

その意味からも、お父さんの木下先生には再考して頂きたいと思うことがあります。
木下先生は東京大学の大学院を卒業されたお医者様なので、自信と自負がおありのようです。
ただ、出身大学は東京大学ではないので、ご自身の学歴に対するリベンジを大維志君にかけておられるように感じます。
ハワイで産まれた大維志君はアメリカ国籍を持っていて、2歳からインターナショナルの幼稚園に入れ、算数と国語の塾にも入れて英才教育をされてきたことからも、木下先生の、息子への並々ならぬ意気込みが感じられますが、教育に対して一貫性がないようで、大維志君が可哀そうに思えます。

番組では、朝6時半から木下先生と大維志君が勉強中でした。
ジャガーさんが話しかけても二人は無視。
テレビのナレーションでは「二人は集中している」と言っていましたが、明らかに無視でした。
ジャガーさんが、「勉強の時は二人対(ジャガーさん)一人になる」と言っていたことから、ジャガーさんは完全に木下先生から馬鹿にされているように、傍からは見えます。

「朝食は前日に作る」というジャガーさんの言葉とともに、前日にジャガーさんが作っていたおにぎりを二人に出していました。
すると、木下先生が大維志君に、「コンビニだよね。ほとんどコンビニだよね」と話しかけました。
その言葉に怒った(?)ジャガーさんが木下先生の椅子をけ飛ばして木下先生が椅子から落ちてこけましたが、普通の家庭ではあり得ないこの情景にびっくりでもありました。

また、本棚を片付けている場面で大維志君が、「そのままにしておくと、たまにお母さんが上に積み上げるんです」と発言。
ジャガーさんは「散らかってるから片づけてやってるだろう」というスタンスでしたが、お父さんは「そうそう、(お母さんは)余計なことすんだよな。確かにな」とジャガーさんを否定していました。

ある場面では、小学6年生の大維志君がお父さんである木下先生の顔に向けて、ドッジボール位の大きさのボールをかなり強く投げつけていました。
木下先生は顔の前でボールをブロックし、「なんだよ、お前は」位の注意をしていましたが、お父さんの顔にボールを投げつけるという行為は考えられません。

以前、お子さんが思春期になって父親を馬鹿にして困るという家庭がテレビで紹介されました。
そのお父さんは、お母さんをずっと馬鹿にしてきていたのです。
思春期になったそのお子さんがお父さんに投げた言葉が、「そんなバカな女と結婚したのはお前じゃないか!」でした。
「『馬鹿な女だ』とお母さんをさげすんでいるお父さんは、馬鹿としか結婚できなかった、同じような馬鹿じゃないか」という当たり前なことを思春期になった息子から言われて、お父さんは愕然としていました。

ジャガーさんご夫妻は、強い嫁、弱い夫というイメージで売っている、演技をしていると聞いていますが、木下先生のお考え通りに大維志君を育ててこられているのを拝見すると、木下先生の隠された面が伺えます。
テレビに映っている時、映っていない時と演じ分けるのではなく、いつも大維志君のお母さんに思いやりのある対応をしてほしいなあと思います。

今回、この記事を書くためにジャガーさんと木下先生のブログ写真を拝見して、大維志君がはかま姿で豆まきに参加し、コマーシャルにも出演しているのを知りました。
木下先生のブログには、大維志君のコマーシャル出演は家族全員の願いでやっと叶って嬉しいというようなことが書いてありました。
「有名人の子供に生まれなければ良かった」と、大維志君が上級生にいじめられて嫌な思いをして帰ってきたというブログ記事を読みましたが、CMに出ている段階で大維志君は立派なタレントさんでもあります。
応援するファンもいるでしょうが、同じ年齢の子供達の中には、うらやましいとねたむ子供がいるかもしれません。

今は大維志君も守られていますが、中学に行くといろいろな考え方の友達と先輩に囲まれます。
ネットで木下先生の過去の言動、お医者様としての経歴などを探し出して、大維志君を囃し立てるなどが想像できます。
お父さんを尊敬していた大維志君が木下先生の別の面を知った時に、「お父さんは立派な人だよ」と木下先生をかばってくれるのは、ジャガーさんしかいません。

ジャガーさんの言葉や行動に、嘘はないと感じます。
立派なお母さんだと思います。
木下先生、ご自分のためにも、また、大維志君の自己肯定感を下げないためにも、大維志君のお母さんジャガーさんを大切にしてあげてください。

来春の合格を願っています。

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