2歳~3歳におすすめの絵本
赤ちゃんから子供に成長していく時期ですが、感情をコントロールする脳の前頭前野が未発達のために起こる 2~3 歳のイヤイヤ期は、お母さま泣かせの時期です。
ひとりで何にでもトライしたいという意欲はあっても、まだ上手にできない、言葉でも伝えることがうまくできないなどの苛立ちがイヤイヤになりますが、しつけもしなければならないので、お子様の気持ちを上手に導くことができる生活習慣がテーマになった絵本をおすすめします。

また、語彙が爆発的に増えていく時期ですので、新しい言葉とたくさん出会える絵本もおすすめです。

3歳のお子様には、自我の発達を認めながら、コミュニケーションや協調の大切さなども読み聞かせで伝えてください。

学習面では、数の概念を認識する力、身近なものの大小を比較する力、絵本のあらすじを覚えるなどの記憶力が高まります。
さらに、強くなった好奇心や興味を満たすために、図鑑などもおすすめです。

絵本の読み聞かせの効果はこちらをご確認下さい。

2~3 歳のお子様へのおすすめ絵本はこちらで紹介していますが、お子様が興味を持つ時期はそれぞれですので、あくまでも目安とお考えください。

1歳で紹介したこの5冊は、数に興味を持ち始めた2~3歳のお子様にもおすすめの絵本です。
こちらに詳しく紹介しています。

かぞえておぼえる かずのえほん

著者島田ゆか
出版社鈴木出版
発行日1996年3月1日
評価★4.1

この絵本では 100 までの数をかぞえるのですが、単に数字をかぞえるのではなく、絵本に描かれている家の中のものをかぞえることで、自然と数の概念が身に付いていきます。
バムとケロの島田ゆかさんのイラストは隅々にまでこだわって描かれているので、まだ小さいお子様には家の中のものが描かれている絵本として、少し経ったら、テレビが一つ、フライパンが二つとかぞえてあげると、自然と数を実体のあるものとしてとらえることができます。

適応年齢は 4 歳になっていますので、2~3 歳のお子様には、もちろん難しすぎます。
「○○ ちゃんはまだ二つだから(三つだから)、5 のページまで数えたらいいんだって。6 からは難しいから大きくなって読もうね」と話してあげ、6 以上がかぞえられたら、「よくかぞえられたね。ママ、びっくりしたよ」とほめ、少しずつ、大きい数に進めてあげてください。

また、5 と 10 を意識付けできるように作成されていることもおすすめする理由の一つです。
お子様が成長していくと大きい数 100 までも数えることができるようになりますが、なかなか実生活で 100 ある物をかぞえることはないので、時間がたっぷりある幼いうちに、絵本で遊びながら 100 までの数を体験させてあげてください。
勉強として数を認識する前に、実体のあるものを楽しみながら指さしてかぞえることで、算数に苦手意識を持たないようにしてあげてください。

100かいだてのいえ

著者岩井 俊雄
出版社偕成社
発行日2008年5月1日
評価★4.6

たてに開く絵本に100階建ての家が描かれていて、お子様にはインパクトが強い絵本です。
正確には1ページに10階ずつ描かれていますが、自然と、9の次は10、10の次は11、19の次は20という数列を覚えます。

10階ごとに住人が違うので、その住人の部屋の様子を見るのが楽しく、次の回は誰が住んでいるのかなあと想像してワクワクする絵本です。
特に、こうもりの部屋の発想が面白い1冊です。

かずのえほん1・2・3

著者五味 太郎
出版社絵本館
発行日1992年11月1日
評価★4.3

くまさんとうさぎさんのストーリーをとおして数を学びますが、1 は読み方「いち」、量は一つ ● ということがわかっているお子様向けです。
100 までの数を学び、後半は簡単な足し算もでてきますが、勉強というスタンスではない導入なので、お子様は自然と指を使って足し算をするようになると思います。
順序数のたし算の答えを覚えるのではなく、指を使って、目で見て考えることで、数の概念を身に付けていきます。

2~3歳のお子様には難しいと思いますので、絵本を楽しみながら、4~5年かけて数の概念を理解してほしいというスタンスのお母さまにおすすめします。

ことばのべんきょう 全4冊 (福音館のペーパーバック絵本)

著者加古里子
出版社福音館書店
発行日1975年10月1日
評価★4.4

1970 年初版の絵本なので、描かれているグッズも言葉もレトロ感いっぱいですが、お子様にはそのようなことは関係なく、とても楽しい絵本です。
おふろを出るときの言葉「おさきに いいおゆでした」を覚えた幼児がこの言葉を発すると、子どもの吸収力に驚かされます。

幼児期は言葉を覚えることが楽しく、また、幼児期の脳は覚えることを要求しているのです。
勉強という意識のないこの時期に、楽しみながら言葉を覚えるようにしてあげてください。

はけたよはけたよ

著者神沢 利子 (著)
西巻 茅子 (イラスト)
出版社偕成社
発行日1970年12月1日
評価★4.0

なかなか一人でパンツがはけない男の子のお話です。
絵本の中で、男の子はパンツを立ってはこうとしていますがなかなかできず、ちょっとやり方を変えたら簡単にできるようになったのです。

できないことがあったら、いろいろな方法を試したらいいね、ということも教えてくれています。

ねないこだれだ (いやだいやだの絵本)

著者せな けいこ
出版社福音館書店
発行日1969年11月20日
評価★4.4

「遅くまで起きているとおばけがでるよ」というお話なので、子どもたちにはかなりインパクトが強い内容になっています。
子どもを怖がらせてしつける本という読み方をして反対の方もいますが、「怖いと思う感情があってこそ、逆の喜びや楽しいという感情が育つ」とも言われています。
1969 年刊行以来のロングセラーの秘密は、子どもがこの怖さを受け入れ、怖さを面白がり、想像の世界を広げてきた証拠なのかもしれません。

自分を守ってくれる人と一緒なら、おばけを全く怖がらず、逆に面白がってはしゃぐ子どももいますので、お昼に読んで、夜の世界を楽しむという読み方もおすすめです。

ねえだっこして

著者竹下 文子(著)
田中 清代 (イラスト)
出版社金の星社
発行日2004年5月1日
評価★4.9

赤ちゃんが産まれたおうちのネコちゃんの視点から描かれた絵本です。
抱っこしてもらいたい・・・
でも我慢しなければ・・・
このネコちゃんの葛藤は、弟や妹にママを取られたように感じる時のお子様の気持ちと同じです。

どうしても赤ちゃんに手を取られて、お兄ちゃん、お姉ちゃんになったばかりのお子様に我慢をさせることが多くなるので、上のお子様の気持ちを受け止めることを忘れないようにという想いで、ママが購入されるケースも多いようです。

しょうぼうじどうしゃ じぷた

著者渡辺 茂男 (著)
山本 忠敬 (イラスト)
出版社福音館書店
発行日1966年6月10日
評価★4.7

子どもたちが好きな消防自動車の物語です。
じぷたはジープを改良した目立たない消防車なので、かっこいいはしご車や高圧ポンプ車を羨ましく思っていました。
その時、山火事が起こり・・・。

この絵本も刊行から 50 年以上経ち、多くの子どもたちが消防自動車を見て、「あ、じぷただ!」と親しんできました。
温かみのあるイラストのじぷたは、くるま好きな男の子だけでなく、みんなから愛されてきました。

コッコさんのともだち (幼児絵本シリーズ)

著者片山 健 (著、イラスト)
出版社福音館書店
発行日1991年4月10日
評価★4.1

引っ込み思案のコッコさんに、保育園でお友達ができるまでのお話です。
同じような引っ込み思案のお子様を持つお母さまは、コッコさんを我が子に重ねて、反対に元気いっぱいのお子様を持つお母さまは、「こんなお友達もいるから、仲良くしようね」と話しかけるようです。

友達になった後の嬉しさいっぱいの笑顔が素晴らしいのですが、大人っぽいコッコさんのお顔には、詠み手の好き嫌いがあるようです。

まるまるまるのほん

著者エルヴェ・テュレ(著)
たにかわ しゅんたろう(編集・翻訳)
出版社ポプラ社
発行日2010年11月19日
評価★4.5

「ぼくは びっくりさせるのが だいすき。だから この えほんにも たくさんの 『びっくり』を つめこんだよ」

これは、作者 エルヴェ・テュレさんの言葉通り、びっくりすることがたくさんつめこまれている、ポップな色彩が楽しい言葉のしかけ絵本です。
「くりっく」などの言葉も出てきて興味津々の子どもは大興奮です。
子どもは必ず夢中になるので、お昼寝や夜寝る前の読み聞かせには不向きの1冊です。

しろくまちゃんのほっとけーき (こぐまちゃんえほん)

著者わかやま けん
出版社こぐま社
発行日1972年10月15日
評価★4.6

しろくまちゃんがお母さんと一緒にホットケーキを作る絵本です。
たまごを落としたり粉だらけになってまぜたりと、最後まで一所懸命にホットケーキを焼くしろくまちゃんの姿が可愛い絵本です。
特に、ホットケーキを焼く工程を表現した音が楽しく、読みながらホットケーキを焼きたくなります。

お菓子や料理を作ることに興味を持ち始めたお子様にぴったりです。
お料理やお菓子作りと後片付けが楽しい、面白いと思えるようになる 1 冊です。

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