中学受験
日本テレビの情報番組「スッキリ」で、『ジャガー横田さんの息子・木下大維志君の中学受験に密着! 第5弾と第6弾』が放送されました.

中学受験の実態

4泊5日 35万円の合宿

春休み、夏休み、年末年始などの長期休暇中に進学塾の合宿は行われますが、大維志君が参加した「4泊5日 35万円の合宿」はさすがに破格の金額です。

両親から離れて初めて一人で泊まるという受験勉強追い込中の大維志君が参加したのは、日本中がのんびりムードの年末年始12月30日から1月3日まで、東京都内の一流ホテルで生徒一人に先生1人が付くトライ主催の5日間勉強合宿でした。
朝8時から夜10時まで、途中昼と夜に1時間ずつの食事休憩があるのみで、勉強漬けの5日間、48時間勉強したようです。

参加者は、大学受験生43名、高校受験生17名、中学受験生9名の合計69名なので、マンツーマン指導の家庭教師トライならではの合宿のようです。

中学受験専門塾の4泊5日合宿でここまで高額は聞いたことがありませんが、学習塾の合宿と5日単位などの夏期講習に複数参加し、さらに家庭教師にも来てもらって、または個別指導塾の補習と自習室使用などで、「6年生の夏に40万円かけた親もいる。うちは合宿と講習で15万かかった」「20万かかった」という話を聞いたことはあります。
家庭教師を使わなくても、通常の中学受験にはかなりの出費が必要ということです。

学力と金銭面で生じている教育の二極格差

受験塾に通っていないにもかかわらず優秀な成績を取るので中学受験をしたいとお子さんが希望しても、受験費用や入学金、中学入学後に学費以外で必要となる諸経費(多くの学校で行われる海外への修学旅行や英語研修など)を考えると、子供の希望を叶えてやれないご家庭も多いのです。

私立中学は英語や数学の授業時間が多いカリキュラムになっており、高校2年までで高校課程の授業を終え、高校3年の1年間を大学受験に費やす学校が多いようです。
東大生の家庭の平均年収が1000万円を超えているのも、このような実態からわかります。

学習塾の講師をしていると、生徒さんのご家庭の経済状況までわかるので、経済格差がお子様の学力に影響すると感じます。

3、4年生の段階で、保護者は過去問を調べる

第5弾では、志望校の過去問を解くシーンがありました。

*本番と同じように、時間を計って解く
*問題全体に目を通し、解けそうなものから解くという鉄則を踏まえ、大維志君は過去問に取り掛かりました。

広尾学園の理科は、見開き2ページにわたる長い問題文に加えて図やグラフが多く配置されており、これらの資料やデータを早く正確に読み解くことが求められる難問というナレーションが入りました。

算数は計算問題がなく大問5つで、「考え方も書きなさい」と問題を解くプロセスが重要視されるようです。
その難問を前に、左手の指を2本、右手の指を3本立てていた大維志君は何を求めていたのか気になりました。

社会は、自分の考えを如何に論理的に書くことができるかが問われる問題だそうです。

これらは、中学入学後、広尾学園の医進サイエンスコースの授業についていくために必要な能力を見極めているのでしょう。

過去問を見るとその学校の傾向がわかるので、保護者の方は早めに志望校の過去問を調べて、お子様の学習の負担を軽くすることをおすすめします。

ずいぶん前のことですが、4年生のAさんは中堅のK校とL校のどちらも気に入っていました。
過去問を見ると、K校の過去問はひねりが少なく、算数の和差算や鶴亀算などの問題も解きやすい一方、L校は問題のレベルが高く感じられました。
まだまだ精神的に幼いAさんが、4年5年6年の3年間も中学受験の波にもまれることは無理と考えた保護者の方は、K校の問題なら小学校の生活も楽しみ、受験問題も頑張って解けるようになると判断されK校に志望校を決めて、無事、合格されたことがあります。
お子様の性格や成長度合いによって、志望校の過去問を早めに保護者が確認され、悪戦苦闘する無用な問題を思い切って捨てる選択をされることも必要かと思います。

大維志君の併願校選び

過去問を解いた大維志君は、広尾学園の合格ライン6割に程遠い3割しか取れなかったらしく、思考力が必要な問題の医進サイエンスコースから、オーソドックスな知識系問題が出題される広尾学園本科コースに志望変更したようです。

併願校を選んでいるシーンで、木下先生が「3日午前は○○校が受けられる。男子校ですが医学部進学者が多い。あと、(ここに進学すると)もてるから。お前にとってメリットはもてるから」と大維志君に向かって言いました。
お父さんのその言葉に対し、大維志君は「近くに●●(お嬢様学校)がある」という返事でした。

以前のシーンでも、大維志君は「広尾学園で女子と付き合いたい」ということを言っていました。
他にも大維志君の行動で気になったのは、国語の過去問を解いている最中、問題が理解できずに塾の先生に「問題が成立していない」というクレームを言いに行き、「わからん。変化球すぎないですか?」という言葉をテレビ取材のスタッフに言った場面です。
大維志君を入学させることは女の子とのトラブルの可能性もあり、クラスの平穏なペースが乱される可能性もあるので他の保護者は嫌がるでしょうから、番組で大維志君と木下先生の言動を見た広尾学園が受け入れ難いのではないか、敢えて選ばないのではという危惧を感じました。

昨年3月のジャガーさんのブログに、「有名人の子供に生まれなければ良かった・・・」という記事があります。
遊びに行っていた大維志君が不機嫌そうに戻ってきて「有名人の子供に生まれなければ良かった」と言ったそうです。
友達にいじめられたり嫌みを言われたなどがあったのでしょう。

昨年6月のジャガーさんのブログでも、大維志君の子育てブログは卒業という報告がありました。
同時期の木下先生のブログにも、「ジャガー横田の子育てブログが終了になるようです。どうやら、たいしからのクレーム?らしいのですが。
学校で友達から、あれこれ言われるのが嫌なようです。
同級生にいじられると、恥ずかしかったりするのでしょう。
気持ちは、よく理解出来ます。」と書いてあります。

それが一転、中学受験密着番組という流れになったようです。
ジャガーさんと木下先生に似て、今、大維志君のメンタルは強いとお二人は考えていらっしゃいますが、子供の性格は変わります。

大維志君自身の意思を尊重して「密着取材」のオファーを受けたそうですが、まず、大維志君に取材の話を伝える以前に、木下先生とジャガーさんで大維志君を守る、取材の話を伝えないという選択をされたら良かったのにと思います。

前回のブログ記事を書くためにジャガーさんと木下先生のブログを読んだら、木下先生が「今が一番経済的に苦しい」とブログに書いてありました。
また、ビオレUのCMに大維志君が出演したのは家族の夢だったとも書いてあります。

大維志君に医者になってほしいのか、それとも、家族の夢であるタレントにしたいのか。
木下先生はどちらでしょうか?

タレントの芦田愛菜ちゃんが小学1年生の時、愛菜ちゃんの1日に密着した情報番組の中で勉強しているシーンがあり、愛菜ちゃんは算数のドリルを解いていました。
文章問題の問題文を読みながら、途中で式を書き始め、答えを暗算でパッと出しているのを見て、「できる!」とびっくりしたのを覚えています。
芦田愛菜ちゃんは中学受験をして、かなり高い偏差値の中学に入学したということですが、あの光景を見ていたのでさもありなんと納得しました。

大維志君はこんなに頑張って中学受験の勉強をされたのですから、高校受験をしないですむ私立中学にぜひ進学させてあげ、中学高校を通じて大学受験とその後の進路に向けて長い目で見守ってあげて頂きたいと思います。

大維志君は中学入学後、クラスメートや先輩から、今までの番組の内容とネットに残っている木下先生の過去の言動を冷やかされるのではと、他人事ながら心配です。
学習塾講師の経験から、子供の世界はそういうものだと思うからです。

「スッキリ」の密着番組の放映が受験の結果報告と同時に終わったら、受け取られた取材料があればその半分を返してでも、「スッキリ」のこの密着の内容をネットから削除してあげて欲しいと切に願います。
そして、入学した中学校で、いじめや嘲笑から大維志君を守ってくれる友達ができるように願っています。

頑張っている大維志君を応援しないではいられません。
生物が大好きだという大維志君が、このまま医学に進んでも、または医学から別の道に志望を変えても良いと思います。
特異なキャラクターの、生物に詳しいタレントさんになる道もありではないでしょうか?

大維志君が楽しい中学生活、高校生活を送ることができますように、心から願っています。

追記
2019年2月4日

木下先生は、受験日が間近に迫った1月末もご自分のブログを更新し、大維志君の様子を発信されていました。
そのブログ記事を読むと、大維志君が精神的に追い詰められていたことが推察されます。

強気の発言をし続けていた大維志君は気持ちが強い、アイアンハートだと、ジャガーさんも木下先生も考えていらっしゃいますが、真に気持ちの強い子は、敢えて強気の発言をせず、淡々としています。
学習塾でたくさんのお子様を見てきた経験から、そこが大維志君に違和感を感じる点です。

これからの中学高校生活で、大維志君の心境も変化していくはずです。
小さい時からお父さんの期待に応えようと頑張ってきた大維志君が、楽しい中学生活、高校生活を送れるように、心から願っています。

大好きだという生物の話を生き生きと語っていた大維志君です。
楽しい中学高校生活を送れることを願っています。

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